星陵日記

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【ご挨拶】研修医の福島です。

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はじめまして、
平成28年6月より千代田ファーストビル歯科にて,臨床研修をさせていただいております福島歩です。
1日でも早く,患者さまに必要とされ,信頼していただける歯科医師になれるよう,日々の勉強を怠らずに精一杯努めて参りますので、皆さまよろしくお願いいたします。

先日7月10日に「明日から役立つ歯科小手術のポイント」というセミナーに参加してきました。
内容は,「親知らずの抜歯」「自家歯牙移植」「上唇小帯形成術・舌小帯伸展術」など歯科診療室で行う小手術の臨床的手技のポイントや,教科書では説明されていない勘所を豊富な臨床経験を有する口腔外科専門医が一般臨床医に教授するというものでした。
講師は横浜総合病院・口腔外科部長で四半世紀ほど口腔外科一筋に診療をされている専門医の今村栄作先生でした。
今村先生は大学病院・労災病院等で救急医療にも長く携わってこられた先生で豊富な臨床経験・技術をお持ちの先生です。
今回,私が特に興味を持った治療について,セミナーで学んだポイントや,感じたことを交えながら以下にご紹介させていただきます。

1 自家歯牙移植

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私がまず関心を引かれたのは,自家歯牙移植術についてです。
自家歯牙移植では,移植する歯の歯根膜を温存し良好な状態で行うことが最も重要なポイントだと学びました。
そのためには,歯根膜を傷つけないよう移植歯の抜歯はヘーベル(歯を抜く金属製のテコ)を極力使用せず、鉗子(歯を挟むペンチのような歯科用器具)のみで行うこと,さらに移植する抜歯窩に,抜歯後30分以内に固定することの2点が最も重要となるとのことでした。
また移植先の抜歯窩に不良肉芽という病的な組織が存在する場合はきちんと掻爬し、健全な歯槽骨を露出させてから移植を行う必要があります。
移植する歯と移植される顎の骨を直接しっかりと密着させ,がっちり固定することが成功率を高める秘訣だということが理解できました。

他にも,移植した歯は一定期間咬合させないことや,移植後3週間以内に根管治療を開始することなど,学生時代に大学で移植手術を見学しただけでは学ぶことができない術後の処置方法についても知ることができてとても感動しました。
インプラント治療や義歯など,失った歯を補う治療は色々ありますが,歯根膜をもった自分の歯を移植するということは,他の治療よりも良好な感覚機能や歯周組織の再生などが図れるという利点があるため,私も適切な移植術を行うことができるように積極的に学んでいきたいと感じました。

2 歯根端切除・嚢胞摘出術

もう一つは,歯根端切除・嚢胞摘出術についてです。
歯根端切除・嚢胞摘出術とは,根の先に膿が溜まり通常の根管治療では治癒しない場合や,根の先に膿の袋が出来てしまった場合に,根の先端を外科的に一部除去する手術です。
この手術の予後を大きく左右するのは,病変部(膿や膿の袋と不良肉芽)除去の程度であり,徹底的な病変部の除去が最も重要であると学びました。
外科処置であれば当たり前とも思えますが,術野が狭く形態が複雑な根尖部では,肉芽組織を取りきれていない場合もあり,これが再発の大きな要因となります。
そのため、術中に肉芽組織の取り残しがないかを注意深く確認する必要があります。
また,歯根端切除術を行うか否かの術前判断や術後の予後予測においては切除後の歯冠/歯根比が適切かどうかをきちんと診断することが重要だと学びました。
歯根端切除術は比較的開業医でも行われている治療の一つだと思います。
私も今後この技術を習得し,しっかりとした術前診断のもと,術後に長期間機能するための補綴治療計画をも見据えた上で治療を行えるよう経験を積んでいきたいと感じました。

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今回,今村先生のセミナーに参加させていただきとても勉強になったことは勿論ですが,今までなかった新たな視点が身につき,今後の臨床研修に対するモチベーションが大変高まりました。
教科書や専門書などを通じ知識としては知っていたことでも,それぞれの治療を行っていく上で注意すべきことや,器具の実際的な使用方法,術後の治癒の際のポイントなど本には書かれていない臨床技術・結果を左右する点を具体的に学ぶことができたことは大きな収穫であったと思います。

これからの研修において今村先生から学ばせていただいたことを生かせるよう、積極的に毎日鍛錬していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

歯科医師(臨床研修医) 福島歩

千代田区 水道橋 歯医者

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歯科におけるデジタル化

1900年代にコンピュータが登場してから、急速に世の中のデジタル化が進みました。ビジネスの世界ではもちろんのこと、パソコンや携帯電話も今や1人1台が当たり前の時代になりつつあります。

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歯科業界でもデジタル技術の導入は最近かなり進んでいます。

診査診断になくてはならないレントゲン撮影ですが、今やデジタル機器での撮影が主流になってきました。

2次元の情報でしかなかったレントゲンが、コンピュータを用いた断層撮影(CT)によって3次元での把握が可能になり、さらにシュミレーションソフトも併用することで、コンピュータ上で立体的な身体情報を再現することが出来るようになりました。

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例えばインプラントの埋入の際には、CT撮影により得た情報から手術部位の骨の厚み・深さ・形態・骨の固さ・神経との距離を解剖学的に評価します。更に型どりをすることで粘膜の厚みを把握し、得られたすべての情報をもとにシュミレーションソフトで顎の3D画像を作ります。

その画面上でインプラント体を埋入する位置・方向・深さ・本数・サイズをシュミレーションし、最終的に決定します。

この作業がインプラントの予後を決める最も重要なステップであり、得られた様々な情報は、合併症のリスク回避に役立っています。

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また、一見デジタル化と関係なさそうな歯の詰め物やかぶせものを作る行程についても最近デジタル機器が使われるようになってきました。

従来の方法では、歯の詰め物やかぶせものを作る際には、

①詰め物やかぶせものが作りやすいように歯を削る
②型をとる
③型に石膏を流して模型を作る
④模型の上で詰め物やかぶせものを作る

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という行程を踏みますが、近年、②の作業をデジタル機器で撮影(光学印象)し、③の模型を作らずに④CAD/CAMと呼ばれるコンピュータ制御の削り出し機器を用いて詰め物やかぶせものをダイレクトに削り出すことが可能になりました。

とは言っても、まだ新しい技術なので、精度・コスト等まだまだ解決しなければならない問題がたくさん存在するのも事実です。

今後の研究により患者さんの精神的・肉体的・経済的な負担を少なくし、より効率的な技術開発が進めば、未来の歯科治療の姿は大きく変わる可能性があります。

そんな夢のような歯科治療が実現する日が一日も早く来るよう願っています。

歯科医師 岸結城

千代田区 水道橋 歯医者

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