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アーカイブ: 6月 2015

虫歯の削らない殺菌治療
→「Doc’s Best」セメント

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皆さんこんにちは。
実は歯科治療にはセメントというものがたくさん使われています。
例えば仮の蓋に使われていたり、被せ物を歯とくっつけたり、、色々な用途のセメントが存在します。
最近話題となっている中に「ドックベストセメント」というものがあります。
このドックベストセメントとは、アメリカで開発された、今までのむし歯菌を削って治すという発想とは全く違う、”虫歯菌を削らないでミネラルで殺菌する” という画期的な治療法です。
ドックスベストセメントは、アメリカ最大の歯科関連団体であるADA(アメリカ歯科医師会)において安全な薬剤として許可を受け、アメリカでは一般的に用いられている製品です。

◆ドックベストセメント治療の特徴

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ドックベストセメントは、銅、酸化亜鉛、酸化チタン、リン酸、水酸化アルミなどを主成分とするセメントです。
このセメントは特に鉄(Fe)イオンと銅(Cu)イオンのコンビネーションによる殺菌効果の発揮する点に特徴があります。
この治療は一般的な虫歯治療と異なり、殆どの症例で歯を削らないので、痛みを感じることが稀です。
また通常は麻酔も必要ありません。
う窩へのドックベストセメント塗布により、虫歯菌に侵されている歯の内部の象牙質をドックベストセメントの鉄(Fe)イオンと銅(Cu)イオンのコンビネーションによる殺菌力で無菌化することにより、それらの象牙質の再石灰化を促します。
歯の根の病気の殺菌にも効果が期待できます。

◆ドックベストセメント治療の利点

・むし歯をあまり削らずに処置が可能
特に入口が小さく、中で広がっている虫歯に大きな威力を発揮します。
また痛みがなく、虫歯が大きくなってしまった歯は、一時的な治療ではむし歯をしっかり取る刺激だけで強い痛みが出てしまうことが多いのですが、その可能性がかなり減らすことが出来ます。

・麻酔注射がほとんど必要ない
麻酔をすることは、歯の内部を陰圧にしてしまうために本来は神経にあまりよくありません。
しかし、通常の虫歯治療で大きなむし歯を徹底的に取り除くためには一時的には麻酔なしではとても無理です。
しかし、この治療方法ではすでに崩れている歯の表層近くしか削る必要がないため、極端な痛がりの方以外はほぼ麻酔が必要ありません。

・歯の神経を取らずに済む場合が多くなる
痛みがなくとも、虫歯自体を取りきってしまうと、同時に神経に達する穴があいてしまい、仕方なく神経を取ることは従来の治療ではしばしばありましたが、この治療法ではその心配が少なくなりました。
なぜならむし歯を全部取り切らなくても済むからです。

・簡単操作・セメントの抗菌性は長持ち
一度つめたドックベストセメントは硬化後も抗菌性が持続します。そのため効果の減弱が起こりにくく、3MIX法と比べて
①薬剤の保存方法を厳格に守らないといけない
②使用後数日で薬効が消えてしまう
③水分が混じると薬の効果がすぐになくなってしまう
④薬の層が固まらず、空間を歯の中に残してしまう…という利点があります。

◆ドックベストセメント治療の欠点

利点の多いセメントですが勿論、欠点もあります。主な欠点は以下の通りです。

・健康保険が使えない
この治療法は現在の日本の保険適用項目にないために、経過観察を含めてすべて自費治療となってしまいます。
ドックベストセメント塗布が1本約3000~5000円、そして修復物が大きさの程度で約20000円~50000円ほどの費用が掛かります。

・経過観察が欠かせない
極端に大きくなった虫歯を対象とした場合、術後の状況変化をしっかりチェックしないと中で神経の壊死を見逃してしまうことも起こり得ます。
すべてのむし歯を必ず救えるわけではないため、治療の経過観察に対する患者さんの理解と協力が何よりも大事です。

・痛みの強い歯・すでに歯の大部分が崩壊している歯には使えない
痛みのある歯に無理に使うと、却って症状を悪化させる場合があります。
特に、神経が大きな問題を抱えている場合、術前に痛みがなくとも術後に痛みが生じる事が稀にあります。

・見た目が気になる場所の虫歯には使えない
変色・着色した虫歯でも完全に取りきらないため、歯の健康よりも審美的要求が強い場合や部位にはお勧めできません。

・最終の修復まで時間がかかる
大きな虫歯の保護のため、ドックベストセメントをつめた上を仮のセメントや樹脂で覆って経過観察に入った場合、半年~2年程度経過後に再修復になります。
その様な長期に亘る治療が面倒だと思われる場合にはお勧めできません。

・明らかに適応症かどうかの基準が明確ではない
どんな治療においても言えることですが、個々の状況に対応する完全な基準を設定することは困難です。

この治療法は、より積極的に歯の質の保存・神経の温存を狙ったものなので、中には症状が悪化して神経を取らなければならない場合も出てきます。
現在の歯科界ではこの新しい治療法に対して賛否両論があります。
確かにドックベストセメントはどんな虫歯の状態にでも使える魔法の薬ではありません。
しかし状態を適切に選びさえすれば、患者さんの歯を大きく削ることはなく、歯の神経も残せ、歯の寿命を長持ちさせることが可能になるのも事実です。

この記事をお読みいただき「ドックベストセメント」の治療に関心を持たれた方は是非、当院の歯科医師までお尋ね下さい。
「ドックベストセメント」の実際の臨床例と患者様の虫歯の状況に応じた「ドックベストセメント」使用の可否につい詳しくご説明させていただきます。

歯科医師 長崎 公壽

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