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アーカイブ: 9月 2017

歯並びで顔は大きく変わります

1.顔の印象は口元で決まる!

みなさんは、顔の印象はどこで決まると思いますか?
昔から「目は口程に物を言う」というから、目だと思いますか?
実は、口元がかなり大きな役割を担っているのです。
マスクをして目元のメイクをして、他の人の真似をする芸能人がいると思いますが、あれは目だからできることなのです。他の言い方をしてしまえば、口元を隠しているから似せることができるのです(そう簡単に真似はできませんが)。
ぜひ、いろいろの人の口元を隠して観察してみてください。

2.咬み合わせが悪い、歯並びが悪い原因

歯並びが悪くなる原因は遺伝と言われてきましたが、はたして本当なのでしょうか?

この画像は、Dr.John Mewによるもので、とても有名な画像です。
右側は姉、左側は妹だそうです。この2人の違いは何だったと思いますか?
姉は口呼吸で、妹は鼻呼吸で育ったそうです。
つまり、歯並びの原因となっているものは、遺伝の要素よりも習癖などによる環境の要素の方が大きかったのです。

この画像も有名なものです。
成長の途中で、ネズミを飼ったことによって鼻閉となり、口呼吸になってしまったそうです。

口呼吸だけではありません。低位舌、異常嚥下などの習癖も、顎の発育に悪影響を及ぼし、歯並びが悪くなる原因となります。

3.歯を動かす力

歯牙を移動させる力は1.7gであると言われています。だいたいペットボトルのキャップくらいの重さの力で歯は動いてしまうのです。

では、舌の力はどれくらいでしょう?
A. 50g
B. 250g
C. 500g
ぜひ考えてみてください。
正解は、C. 500gでした。舌には、ちょうど500mlのペットボトルの重さの力と同じくらいの力があるのです。

唇(くちびる)周辺の筋肉には300gの力があると言われています。

では、無意識嚥下(無意識にごっくんと飲み込むこと)は1日に何回しているでしょうか?
A. 200回
B. 1200回
C. 2000回
正解は、C. 2000回でした。

つまり、1日に2000回も正しい嚥下をしているか、正しくない嚥下をしているかで、歯の位置は大きく変わってきてしまうのです。

4.矯正治療をしても後戻りしてしまう?

子供の頃から早いうちに歯並び・かみ合わせが悪くなる「原因」、具体的には、「呼吸」「舌」「嚥下」「口唇」の機能が正常になるように治療を進めていくと、顎が正常に発育して、歯並びもよくなります。
では、大人になってからではもう遅いでしょうか?いわゆる歯にブラケットをつけて矯正をしても後戻りするからとためらっている人もいるのではないでしょうか?
ここまで読んでくださったみなさんは、もう想像ついていると思います。そう、歯はとても小さな力で動いてしまうので、口唇や舌に悪習癖があると、後戻りをしてしまうのです。
矯正治療中に、悪習癖についてきちんと知り、治していけば、後戻りの心配は減ると思います。

5.矯正治療しか方法はないの?

咬み合わせがズレてしまうと、顎関節症、頭痛、肩こり、めまいなどの原因になることがあります。場合によっては、歯根破折や補綴物(被せものや入れ歯)の破損の原因になることもあります。
咬み合わせが低くなってくると、本来の咬み合わせの力より、余分に歯に力が加わってしまいます。若いころよりもだんだん歯が動いていることはありませんか?
下顎が後退していると、気道がせまくなり呼吸しにくい状態になっていて、よく眠れないこともあります。

矯正治療の選択ができなかったとしても、スプリント(マウスピース)治療や補綴(被せものや入れ歯)治療で、本来あるべき位置で咬み合わせを作ることによって、これまでは不定愁訴と思われてきたもの(頭痛、肩こり、めまいなど)が改善することがあります。

あなたの咬み合わせは大丈夫ですか?

もし、何か咬み合わせでお悩みのことがあれば、歯科医師にご相談ください。

歯科医師  梶永

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むし歯を薬で治せるようになる?

暑かったり、雨が続いたり…おかしな今年の夏でしたが、少しずつ秋の訪れを感じるようになりました。読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、皆さんはどんな秋を過ごされるのでしょうか。

今回は皆さんにとっても私たち歯科医師にとっても素敵な未来のお話です。
歯髄(しずい:よく歯の『神経』と言われている部分)に届いてしまった大きなむし歯でも現在のようにたくさん削って歯髄をとらなくてもよくなるかもしれないのです。

むし歯は進行すると歯髄に届き、炎症や痛みを生じます。
現在ではこうしたむし歯による感染が歯髄にまで達してしまうと歯をたくさん削り、歯髄を除去(抜髄処置:神経を抜く治療)行っています。
その結果歯が弱くなってしまい、将来、歯を喪失するリスクが高くなります。
生えている木と枯れ木を想像していただくとよいと思います。

今年の7月、新潟大学医歯学総合病院の大倉直人助教らのグループにより、歯髄の持つ高い自己治癒力を利用した薬剤による治療法の確立に向けた研究がネイチャー・パブリッシング・グループの英国科学誌「Scientific Reports」に世界で初めて発表されました。

Effects of pulpotomy using mineral trioxide aggregate on prostaglandin transporter and receptors in rat molars Scientific Reports 7, Article number: 6870 (2017)

今回の研究では、プロスタグランジンという物質の発現の様子を観察しています。
プロスタグランジンは、第3のホルモンとも言われ、人間の体内の様々な生体反応(呼吸、炎症、化膿など生きている人間に起こる反応)など、体のほとんど全ての機能と関係しているといってもいいほどの物質です。その中でも、今回の研究のプロスタグランジンE2は胃粘膜の保護、痛みの増強、発熱に関わっていると言われています。
大倉らのグループが、ラットの歯に開けた穴に特殊な薬剤を置いたところ、プロスタグランジンE2を輸送するトランスポーター(PGT)と呼ばれるタンパク質と結合する受容体(EP2)が歯の象牙質を作る細胞(象牙芽細胞)や血管に認められました。創傷を受けた際に細菌が歯髄へ侵入するのを防ぐための修復象牙質が形成されますが(ヒトの身体ってよくできてますね)、その形成機構にプロスタグランジンE2が関わっていることを示しています。
また、歯髄組織の中の神経線維にも認められ、神経を保護する役割にも関わっていると考えられます。

今回の研究がラットの歯からヒトの歯へと進めば、薬を使った歯髄処置によって歯を丈夫なままで残すことができるようになり、しっかり噛むこと、おいしく食事を召し上がっていただくことへとつながります。
患者さんにとって喜ばしいことであるのはもちろんですが、歯科医師である私たちも助かります。抜髄処置って大変ですから・・・。

歯科医師 武田加奈

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