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日本人に適したインプラントとは?

最近、診療室で患者さんからインプラントに対する質問を受ける機会が大変増えてきました。
インプラントの構造を以前はよく『三段ロケット』とお話していましたが、最近ではその構造を『こけし』に例えてご説明しています。
インプラントは、まっすぐな胴体(インプラント体)に細い首(アバットメント)、その上に大きな頭(歯)が乗っています。
あまり細い胴体や、細くて長い首では強い力がかかった時に支えきれません。
このため多くのインプラントシステムは歯の部位に適した長さと太さのインプラント体を選択することを推奨しています。
 また、現存のインプラントシステムはアバットメント(こけしの首)の長さ、太さの選択肢が少ないため、最終的に入る歯の形態はインプラント体(こけしの胴体)に規制されているシステムが大半です。
欧米人に比べ日本人の顎の骨は幅も厚みも薄く、欧米生まれのインプラントは私たちにはサイズが若干大きいと感じています。もう1mm短い、もう0.5mm細いサイズがあれば、というのは手術の際に多くの日本の歯科医の感じるところだと思います。
このためインプラント体の埋込に際立ち、骨の移植を余儀なくされる場合もあります。
しっかりと基礎(インプラント体)を打つためには相応の場(骨)が必要なことは勿論ですが、手術を受ける患者さんの立場からすればなるべく余計な手術を行わず少ない手術で済ませたいというのが共通した気持ちであると思います。
 先日参加した飯島俊一先生のセミナーでこの中でこの常々感じていた課題に一つの解決策を授かりました。
 飯島先生は約20数年前よりインプラント治療を行われている日本ではパイオニアのお一人です。
現在まで如何に『患者さんの負担を少なく、長期間安定した、仕上がりの美しい、インプラント治療』を行うかに心血を注がれてきておりご自身の臨床の紆余曲折とそこから得た所見を大変分かりやすくお教えいただきました。
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〇 こけし(インプラント)は胴体(インプラント体)に主眼を置くのではなく、首を鋼の様に強くし、長さ、太さが多様な首を用意することにより美しく、機能的な頭(歯/上部構造)を載せる
〇 基礎(インプラント体)に即した場(骨)を用意するのではなく、場(骨)に即した強固な基礎(インプラント体)を打つ
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大変抽象的で分かりにくいたと思いますが、もう少し具体的にお話すると
・まず現在の骨に合ったサイズで強度の高いインプラント体を埋め込む
・当然、骨の量が少なければインプラント体は細く、短いものとなりますが、インプラントの首(アバットメント)を強固で多様な形態とすることで機能的かつ審美的な歯を作ることができる
というものでした。
正に逆転の発想ですが、従来は弱く選択の幅が狭かった首(アバットメント)に対する概念を変え、実際に臨床のレベルまで地道に具現化されたところに強く感銘を受けました。
 このセミナーを受講しここ数年の目の前の霧が晴れ、これまで骨量が乏しく、従来の義歯を装着していただかざるを得なかった患者さんにもインプラント治療を選択していただける可能性が大きく広がったと感じています。
 当院でも早速、来月よりこの新しい『首(アバットメント)』を導入することと致しました。
これにより従来は骨の移植必要であった多くの患者さんに低浸襲でインプラント治療を受けていただけることとなります。
 日本人に適したインプラントを例えれば
『程々の胴体に、変幻自在な鋼の首をもつこけし』ではないかと考えています。
 
「骨が少ないのでインプラント治療は難しいです。」と言われ治療をあきらめていた患者さんも是非一度ご相談ください。(平/記)

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