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口腔がん検診

皆様こんにちは。
年末年始と忙しい時期を過ごされて、少しほっとしたいと思われている方が多いのではないでしょうか。
私は初詣で第一に家族の健康と平和な世の中を祈願しました。
祈願しているだけでは歯科医師として説得力が無いので、専門的な見地から健康を維持する対策への一つの提案をしたいと思います。

お口の中の健康が全身疾患に影響する重要な要因であることは皆様もご存じの事と思います。

歯科医院での定期的な検診では虫歯や歯肉の状態を検査するという事が一般的に知られています。
そして、必要があれば虫歯の治療や歯周病の治療をしていきます。
実はそれ以外にも歯科の検診で検査できることがあるのです。

よく知り合いの方から「歯科医師は歯の治療だけをするのでしょう?」と言われたりします。
しかしながら、我々歯科医師は粘膜の病気にも遭遇し、取り組んでいるのです。
お口の中にもがんができるという事は意外と知られていないのですが、粘膜疾患の一つに口腔がんがあります。今回は口腔がん検診についてのお話しをします。

早期発見の重要性!

口腔がんはある日突然発症する病気ではありません。
異形成段階と言って、がんになる前の段階のものが数か月、ないしは数年にわたって出現します。
前がん病変は歯科医師によって肉眼で発見されることができます。
粘膜疾患には様々な種類があり、悪性か良性か診断を下すには適切な検査が必要になります。

早期発見、早期治療によって治療の予行は大きく左右されます。
重篤な状態になるまでに発見されることが望ましいのです。

粘膜の異常とは?

正常な口腔粘膜はつるっと柔らかく、色も淡いピンク色です。
一方、粘膜疾患には以下のような症状が現れます。
1. 白く変色、あるいは赤く変色
2. びらん、小さな潰瘍、時に出血を伴う
3. 触ると硬く、肥厚している
4. 食事中にしみる
5. 口の中のある部分がひりひりする
6. 首のリンパ節の腫れ
などです。

初期の段階ではほとんど痛みが無いため気づかれない場合があります。

口腔内をご自身で定期的にチェックすることは非常に有効です。
その際のチェックポイント

1. 舌
2. 歯肉
3. 口腔底
4. 頬粘膜
5. 口蓋粘膜
6. 口唇
などです。

合わない義歯や歯の被せ物が原因で慢性的に粘膜に傷ができている場合や、2週間以上治らない口内炎がある場合などは、是非歯科医院へ検査を受けに行くことをお勧めします。

もちろん、口腔内にご自身で気づかない異変がる場合もあるので、1年に2回、ないしは最低でも1回の歯科医院での定期的検査を受診されるのが良いでしょう。

どのような検査をするのか?

最初の検査では、問診、視診、触診を行います。

粘膜の異常は肉眼でも観察することはできるのですが、当医院では組織蛍光発光可視技術を使った口腔内スクリーニング装置としてVELscope VX(ベルスコープ) と言う口腔内蛍光観察装置を用いて口腔粘膜の異形成をより詳しく観察しデーターの採得を行っています。

疑わしい病変が観察された場合は、口腔粘膜疾患を専門的に扱っている専門の科にご紹介させていただき、さらなる検査を行っていきます。

>>検査の流れについてはこちらをご参照下さい。

病理検査
1.細胞診
2.組織診 (生検)

画像診断
1.超音波検査 (エコー検査)
2.X線撮影
3.CT検査
4.MRI検査
5.アイソトープ検査

最も危険な要因は喫煙

口腔がんの最も重要な発生原因として、喫煙があげられます。
喫煙とさらに飲酒によりそのリスクはかなり増大します。
また、口腔粘膜に傷を作ってしまうような刺激物、(合わない義歯や適合の悪い詰め物や被せ物など) があると、口腔がんの発生確率を高めてしまうと言われています。

日々の生活で気を付けたいのは、熱いものや辛いものなどの刺激物を頻繁に取らないこと、また口の中を常に清潔に保つことです。

日本では口腔がん検診はまだ知名度が低いようですが、欧米ではすでに歯科医院でのがん検診は一般化しています。
今後、高齢化が進む中、がんによる死亡率は確実に上がっていきます。
しかしながら、早期発見、早期治療のチャンスが増えれば、がんによる死亡率が大幅に抑えられることと思います。
我々歯科医師は口腔がん検診を普及させ、国民の皆様の健康にお役にたてればと願っています。

お口の中に何か気になるものができてしまった場合、まずは一人で悩まずに歯科医院に相談しに行くことをおすすめします。

今年も皆様にとって健康で素敵な一年になりますように。

歯科医師 大庭美和子

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